「きらめき」短期講座案内

   
短期講座 こより細工

      〜活きているごとくに華麗な松や梅の盆栽〜


講師:堀下 昌義氏( 元祖 こより細工師)


  講座のねらい

 今回の短期講座は、この世界にただ一人だけの“こより細工名人”(茨木市在住)の指導による「こより細工」です。
 平成20年2月〜3月にかけて4回シリーズで開催されました。

 「こより細工」は、45年ほど前、ふとしたきっかけから考案され、こよりにこだわり、試行錯誤を重ねた結果生み出されたものです。この技法を、広く市民の皆さんにお伝えし、こより細工を広めていきたいとの思いから開催のはこびとなりました。

  講座のあらまし

 基本のこよりのより方から練習します。まず、紙ナプキンをよって、麦の穂をつくります。こよりを葉っぱの型に置き、そこに紙を貼って葉を作り、ラッカーで色をつけます。
 このような基本のものを組み合わせて、自分の思い通りのものに仕上げて生きます。

  講師からのコメント

・盆栽の松、梅、桜などの材料は、紙ナプキン、新聞紙、包装紙、広告のチラシ、麻ひも、接着剤、絵の具などです。使っている道具は、はさみ、千枚通し、タオルなどと身近にあるものを使用しますので気軽に始められます。
・1本、1本のこよりをよって作り上げるので、複雑な作品は、完成まで2か月ほどかかります。簡単な作品は、半月ぐらいで仕上がります。いずれにしても作品を考えるのに頭を使い、こよりをよるのに、手を動かしますので、老化防止と脳の活性化になります。
・「いいものを作ろう」「人からほめてもらおう」と思うと良い作品にはなりません。一生懸命の気持ちが大切です。
・日本の民芸、古代(イニシエ)の生活の知恵である「こより」を手作り芸術「こより細工」として、ほこりを持ちたいものです。


  受講生のコメント

・ 堀下先生の作品を見たことがありませんでした。簡単な一輪挿しの花のようなものかなと思っていましたが、えらい違いで生命が宿っているように生き生きとして見える素晴らしい作品でした。とても楽しかったです。
・ 紙(ペーパー)を細く小さくする時、繊維の筋に沿って裂くとよい事を知りました。
・ 幹や枝の微妙な色合いも本物そっくり、これが紙でできているとは驚きでした。
・ 今はお金を出せば、大抵のものは、手に入りますが、自分の作品は世界に一つです。がんばって作りたいです。

  取材アシスタントの一言

・取材は講座最終日にさせていただきました。本物かと思うような麦の穂が完成し、来年のお正月用の若松の枝を、新聞紙で作っておられました。時間のかかる仕事のようですが、是非完成させて下さい。
・こよりといえば昔、祖父がキセル掃除をしていた風景を思い出します。こんなに華麗で立派な盆栽に変身するとは、正にマジックですね。
・茨木市の貴重な財産ともいえる「こより細工」を継ぐ人が現れ、次世代へと続いていって欲しいものです。