「きらめき」文化講座案内

「日本の芸能・ビデオ鑑賞」講座
  〜歌舞伎・能・狂言から落語・漫才まで〜


 講師:相羽 秋夫 氏(演芸評論家・大阪芸術大学教授)

 
  講座のねらい

 私たちのまわりには、いろいろな芸能がうずまいています。しかし、その成り立ちやおもしろさのポイントは余り知られていません。そこで芸能の成り立ち(歴史)やおもしろさを解説した後で、それぞれの分野の作品をビデオで鑑賞します。
 気軽に楽しく、そして日々の気晴らしに受講できる講座です。この講座を受講することで、芸能鑑賞の楽しみ方をワンランクアップさせませんか。

  ある日の講座風景

 この日は前回に続いて、漫才についての講座でした。
 最初に前回の復習(漫才の分類、コンビの形態、「上方漫才」と「東京漫才」の違いなど)がありました。
 今回の講座では、「ボケ、ツッコミ、筋ふり」というように漫才師にそれぞれの役割があること。また、このことにかかわって東西の相違点を三つあげて解説されました。
 東西の違いですぐに思い浮かべることの一つが言葉の違いです。これは誰にでも理解できます。
 講義を聞いてはじめて「そうだ」と判ったのはその二に当たる「ツッコミ」方の違いです。東は一度ボケただけの「一段オチ」、それに対して西は「二段オチ」と言われるように、ボケの後にもう一度ツッコミがあるのです。
 そして、その三はどこまでが事実か否かは問わない西に対し、“絶対の台本主義の東”と称して「非日常性」と言われる面での違いです。東京漫才には、どこかに“わざとらしさ”が求められているのです。
 このような講義の後に、「東京漫才」のビデオが流されました。
 講義を聴いた後でビデオを視聴すると、漫才の持っている楽しさ、話芸としてのおもしろさがいっそう増しました。

  講師のコメント

・歌舞伎は、日本のあらゆる芸能の原点になっています。歌舞伎は、「国劇」とも言われています。明治以降に生まれた劇を「新国劇」と呼ぶのはこのことを踏まえているからです。
・この講座では、それぞれの芸能を楽しみながら、日本の芸能の流れについての理解がいっそう深まるものと確信しています。
・この講座の構成は毎回独立したものとしています。それぞれの芸能を十分に楽しんでいただけます。また、講座では、「次回の講座は何を取り上げるか」を楽しみにしてもらうために予告はしません。わくわくするような期待感をもって受講してほしいのです。
・前回と今回取り上げた漫才のような笑いは理屈ではなく、生活環境を共有する関係において生まれてきます。生活の中で笑いの場面がもっとあってほしいと願っています。
・あまりかたいことは考えず、各回を「気晴らし」で楽しく受講してもらえればありがたいです。

  受講生のコメント

・上方芸能の良さを改めて知りました。
・落語の聴き方や、上方落語と東京落語の違い(漫才も)を知り鑑賞の楽しさの幅が広がりました。
・以前から笑いに興味をもっていました
が、そのウラ話を聴きたいと思って受講しました。
・この講座を聴くことで夫婦の間で"笑い"をテーマにすることが増え、会話がはずむようになりました。
・最近の芸人は少し人気が出るとすぐにTV出演を重視しますが、寄席の良さも保って欲しい。寄席であれば客の直接の反応があり、大切な学習の場になるでしょう。
・ふだんから、落語のCDを聞いたり、寄席に行ったりしているので、講座内容がおもしろそうだったので受講しました。

  取材アシスタントの一言

・なんと楽しい講座でしょうか、というのが取材しての印象でした。
・今日の講座は、「上方漫才」と「東京漫才」の違いについてでしたが、違いを知ることで漫才の楽しさの幅が広がりました。
・受講されている皆さんが熱心で、本当の意味での笑いが分かっておられるようでした。その姿に感銘を受けました。また、普段何気なくみている落語や漫才について深く学べました。
・講座の目的は、楽しく、しかも気楽に受講しながら芸能の本質を知ることにあります。講座を取材して、「狂言・落語・漫才」などの笑いで健康を増進すると共に芸能との新たな出会いが期待できるような気がしました。
・普段何気なく見聞きしている芸能がもつ奥深さを知りました。今まで敷居の高さを感じていた芸能が実はどの分野も底流を同じくすることを知り、その楽しさの幅を広げることができました。