「きらめき」文化講座案内

唐の都≪長安≫に馳せる夢
〜遣唐使の人びと〜


講師:大原 正義 氏(元大阪薫英女子短期大学助教授)

 
  講座のねらい

 日中文化交流の架け橋となった、1200年以上も昔の遣唐使。
 遣唐使全般にふれながら、阿倍仲麻呂や五台山で薬殺されたと伝えられる霊仙など、留学生や学問僧たちの生き様にも迫りたいと思います。

  ある日の講座風景

 第六代皇帝の時代になると、唐という大国が徐々に崩れていきます。
 玄宗皇帝は政治をかえりみず、高力士に代表される宦官によってその乱れを安定させようとしましたが、失敗しました。その裏には後宮がかかわる政治の影響がありました。
 安禄山の乱が起こり、玄宗皇帝は楊貴妃を連れて長安を去ることになりました。その途中、玄宗は楊貴妃を自死へと追い込まざるを得なくなりました。このことに関しては、白楽天の「長恨歌」が有名です。

 唐の時代に、日本からの遣唐使も活躍しました。その中に、日本から遣唐使に随行した留学生の阿倍仲麻呂がいました。遣唐使の往来を通じて、唐から日本に仏教を初めとする多様な文化がもたらせられました。

 この日の講座では、「仏教を尊び、唐王朝を花開かせた女帝 武則天」のビデオを40分ほど視聴しました。ビデオによって、唐と日本との文化交流を理解することができました。

  講師のコメント

・作家 井上靖の『天平の甍(いらか)』や『西域物語』に感動を覚えたのが中国に関心をもつきっかけでした。特に、1200年から1300年の唐の時代のロマンにあこがれをもち、夢を広げていったのです。
・遣唐使が活躍したのは、日本の奈良時代にあたり、中国の先進的な技術や仏教の伝来がその後の日本の文化に大きな影響を及ぼしています。
・単なる歴史としての講座ではなく,歴史の狭間で揺れ動く人間模様に迫り、そこにロマン(夢)を見出したいと考えています。
 受講者の皆さんにも存分にロマン(夢)を馳せていただきたく思います。

  受講者のコメント

・中国の長安に旅行に出かけようと考えています。そのために街の様子や歴史のことを知りたいと思い受講しました。
・仲間に誘われ、数名で参加しています。講座以外にも交流の機会をもち、唐の都への夢を広げていきたいと思います。
・中国が好きで歴史に興味があるので、参加しました。聞いていて自分の興味と合致し、大いに役立っています。毎回の講義を聞くと、中国へ行きたくなりました。
・仕事を持っているので、夜の講座の設定がとてもうれしくて参加しました。 

  取材アシスタントのひとこと

・「唐の都《長安》に馳せる夢」というタイトルにひかれ、今回取材させていただきました。
 遠い昔の玄宗と楊貴妃の生きた時代が、講師の話によりまざまざと目の前によみがえりました。さらにこの時代をもっと深く知りたいと思いました。 
・今注目を集めている中国の歴史に触れ、その時代に活躍した遣唐使との関連性を追究しています。