「きらめき」教養講座案内 | |||
「数式無用の数学講座」 〜ふだんの生活に理系的発想を〜 |
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講師:三根 久 氏(京都大学名誉教授) |
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講座のねらい 英会話を身に付けるのに、文法を学ぶことは無駄なことです。 それと同じように定理、証明を勉強しても実社会では一向に役に立ちません。難しい公式を極力用いないで、わかりやすく数学の本質が理解できる講座です。 ある日の講座風景 講師のコメント あらかじめ与えられた局面が分かっている場合、最適なものを選ぶ方法として「意思決定(Decision Making)の科学」があります。 ことば(用語)は難しいのですが、これはふだんの生活において行われているものです。 今日の昼ご飯には何を食べようか? 中華料理がいいか、和食を選ぼうかなどと考えている場面がこの「意思決定(Decision Making)の科学」に当てはまります。 日常生活におけるこのような場面(状況)を単純化し、記号化して思考を進めるのが理系人間の発想なのです。 「意思決定」を行う場合に「動的計画法」が用いられることがあります。 ある状況の中で、ある行為(選択)をするとどのような効果を得ることができるのかをシュミレーションするのです。 数学的思考(理系的発想法)とは、このように、「条件の設定→最善と思われるものを選択→最適かどうかの証明(検証)→条件の再設定→最善と思われるものを選択…」という作業が繰り返されるものです。 このような思考の過程で問われてくるのが、「最適停止の問題」です。日常生活に当てはめると、「どこで手を打つか」ということに通じます。 今日の講座では、「最適停止の問題」の例題として次のことが取り上げられました。 〇骨董品を売る場合、4人のお客が来るとしてどの段階で来たお客に売るのが一番いいのか。 〇100人の異性とお見合いをする場合、何人目のお見合い相手を結婚の相手として決定するのがいいのか? 順列組み合わせ、期待値(平均値)などを使いながら、それぞれについての数学的解答を提示され、受講者の皆さんも熱心に考えをめぐらせておられました。 受講者のコメント ・「数式無用……」のタイトルにひかれて受講をしました。毎時間楽しんでいます。 ・この講座では、難しい内容をわかりやすく講義をされています。数学の世界を数字(数式)にこだわらずに説明されています。少しずつ関心が高まってきています。 ・確率の話は聞いていて大いに楽しめました。今まで体験してきた世界とはまったく違うので興味がわいてきました。 取材アシスタントの一言 ・ふだんの生活で何気なく考えていたことがらを数学の論理的発想法の立場からわかりやすく解説されていて、数学の世界に興味をもつことができました。 ・テキストを読むと、なんとなくおもしろそうでしたが、それを数学的に話していただくと、その奥深さを実感することができました。 |
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