働くことを通して仕事の楽しさや大変さを学ぼうと、市内の中学2年生は校区内のさまざまな職場で“職場体験”をします。
『まなびどり』編集ボランティアは三島中学校を訪ね、4人の生徒の皆さんにそれぞれの職場での体験を語ってもらいました。

職場体験とは?

 職場体験は総合学習の一つとして、8年前に始まりました。実際の職場でいろいろな体験をし、それが自分の将来を考えるきっかけになればと実施されるようになりました。
 三島中学校では昨年11月に、2年生(156人)が校区内の工場やスーパーマーケット、商店、保育所などで2日間の労働を体験しました。
 生徒たちは3カ月前からこのための準備をします。興味のある業種は何か、仕事の内容はどうか、勤務時間はどうなっているのかなどを考え、受け入れてくれる職場を探し自分たちで交渉します。
 体験学習が終わった後、生徒たちはそれぞれの体験をまとめて、学習の成果を発表します。


ボードに張り出された体験報告

職場での仕事は?

正田君
 電器部品工場で、冷蔵庫の部品加工、パーツの組み立て、ファンモーターの作動確認などをしました。
押井君
 スーパーマーケットで、食材(魚、肉、野菜)のトレー詰めや包装、陳列作業などをしました。
丸山君
 自動車工場で、自動車のタイヤの着脱、洗車、ワックスがけなどをしました。
林さん
 保育園で、園内の掃除、教材の準備、食事の世話、マットや跳び箱の出し入れなどをしました。


職場体験風景

感想は?

 一日が長く感じられ、大人の仕事はきびしいと思いました。父親が帰宅した時「お疲れさま」という気持ちになりました。できたらほかの業種も体験してみたいです。

体験中はとにかく仕事を覚えようとしました。手の洗い方を厳しく指示され、爪までしっかり洗うように言われました。お客さんと接したことは楽しかったです。この体験で、家族に関心が向くようになりました。

最初は戸惑いましたが、やっているうちにおもしろくなりました。将来は職場体験した仕事に関係する職種につきたいです。家族に「お帰り」と挨拶するようになりました。

 最初は対処に困ることもあり、思った以上に大変でしたが、やっているうちに楽しさもわかってきました。家族に対して「疲れているな」とか「元気だな」とかの表情を読みとれるようになりました。     

協力してくださった工場と保育園に中学生の様子などを聞きました。

中岡自動車
 4年前から2〜3人ずつ受け入れるようになりました。けがのないように、一人ずつ整備士を付けて指導します。仕事中は従業員と同じように厳しく、昼休みなどではやさしく接してけじめをつけました。生徒たちは生き生きと興味深く仕事に取り組んでいました。仕事の楽しさや大変さを少しは理解してもらったのではと思います。  
 若い時のこうした体験はこれからの人生にかならず役立つと思います。私たちも教えることで気持ちがリセットできます。一人でも多くの生徒が興味をもってくれて、いつかこの業界に入ってきてくれたらと思います。
 この職場体験は中学生だけでなく、私たちにもプラスになることだと思います。  


職場体験を語ってくれた4人の中学生
林さん 丸山君 押井君 正田君

ちとせ保育園
 一つの中学校から6〜8人を受け入れています。学校によってカラーは違いますが、どの生徒もどうしたら子どもに理解してもらえるのか、一生懸命に自分で考えて子どもたちと接しています。こちらの話も素直に聞いてくれました。あいさつや返事、食事のマナーなどを通して、人との付き合い方を学んでくれたと思います。掃除などの下準備にも時間をかけてやってもらったので大変だったと思いますが、人が生活していく上で、どうしたら気持ちよく過ごしていけるかを中学生の時期に体験してもらったことは、今後の人生にプラスになると思います。
私たちも生徒の皆さんと切磋琢磨できる貴重な体験です。もう少し長くいてほしいと思いました。


職場体験風景


 生き生きした表情で語ってくれた三島中学校の4人の皆さんは、社会人としてのマナーや働くことの大切さを学習したほかに、毎日働いている家族に感謝する気持ちを持ったようです。私たちも若さをもらったようで、楽しいひとときを過ごしました。

 担当:金原 西村 宮原