第13回

 退職してからおよそ一〇五、一九二時間(十二年)の年月が過ぎていきました。これという事柄に集中したこともなく、特別な趣味があるわけでもなく以前の延長で、数年間ほど以前と同じ仕事をしたぐらいで毎日無計画な日々を過ごしていたように思います。そんな中である時「退職後の人生で自分は何をしようと思っているのか?」「自分の趣味・特技って何だろうか?」「自分が集中してできることは?」とあれやこれやと考えている時、新聞広告に“やさしい手彫りガラス装飾講座”の案内を見つけました。早々に見学・体験学習をさせてもらいました。教室に入った途端「あれっ」と思いました。それは受講生が女性ばかりで男性がいないことでした。しかし、いったんやってみようと決めたことですから思い切って入会し、丁寧に教えていただき、今でも手彫りガラスの魅力にとりつかれて、時々お皿やコップなどにガラス絵を描いて楽しんでいます。教えられることでわたしの時間に趣味の“手彫りガラス”の一ページがプラスされ、人生の楽しみが定着していくことに喜びを感じています。
 

金原 菊男