茨木には自然歩道として、竜王山、武士、山脈、鉢伏、北山、キリシタンの6コースと東海自然歩道を組み合わせたコースなどがあります。 
 まなびどり探検隊はこれらの歩道を実際に歩いて、四季折々の自然をシリーズでお届けしています。今回は夏に取材した鉢伏自然歩道を紹介します。

 今回のコースは市のコース案内とは反対に、免山バス停から梅原集落、鉢伏山、粟生岩阪集落を通り、宿久庄バス停までの約5.7qを歩くことにしました。加えて、コース案内外の紫金山古墳とその周辺も訪れました。
 阪急茨木市駅午前8時55分発の忍頂寺行阪急バスに乗車して、午前9時40分に免山バス停に到着しました。


 免山バス停で下車し、佐保川を後にして道標の案内に従って歩いていくと、地蔵仏三体が歓迎してくれる。ササが茂る道を踏みしめ、“ヤブカンゾウ”の花や田園風景に心を癒されながら約300m歩いていくと、目の前に梅原集落が見えてくる。
 のどかな梅原集落を後に、田園風景の中を山手へと進み、左折してヒノキの林道を少し行くと、小さな池と平地が目の前に開ける。このあたりからウグイスの声が聞こえ始め、その鳴き声にしばし聞き惚れる。ヒノキ林と大きな樹木のなだらかな山道を、体にマイナスイオンを浴びながら30〜40分歩き、少し急な山道を登ると、標高296mの鉢伏山山頂に着く。茨木市南西部の眺望が開け、ゴルフ場なども見渡せる。山頂には昭和6年建立の登頂記念碑がある。記帳ノートがあったので記念に記帳して下山する。


免山入り口近くにある地蔵仏


 鉢伏山から雑木林の山道を散策しながら下っていくと、すぐに粟生岩阪集落の入り口に着く。下る途中で地元の人に出会い歓談する。元気そうな人で、鉢伏山記念碑の由来などを語ってくれた。人と人とのふれあいに心が和むひとときだった。


鉢伏山山頂


 集落を少し行くと、稲荷神社にある六体の智恵地蔵が迎えてくれる。集落を横切り小さな川に沿って二つの堤防を過ぎ、しばらく行くと峠に着く。そこで昼食をとる。十数人の若者が、ログハウス建設の準備を楽しそうにしていた。中高生のための夏休み体験学習の拠点らしい。昼食後、ゆるやかな下りを関西大倉学園を左に見て進むと、日本人初のノーベル文学賞を受賞した川端康成が少年時代を過ごした旧跡に着く。近くの八阪神社に足をのばし、康成に思いをはせながら宿久庄バス停に到着した。


粟生岩阪集落


 慧光院、紫金山古墳、新屋古墳群を見て回る。紫金山古墳は、古墳時代前期(約1600年前)の東西方向の前方後円墳(前方後方墳の可能性もある)で、後円部の墳頂から長大な竪穴式石室が発見され、棺の中には中国の「新」の時代の鏡が納められていた。新屋古墳群は新屋坐天照御魂神社の裏山一帯に存在する古墳群で、6世紀後半から7世紀初頭にかけての円墳が30基余り群集している。
 新屋坐天照御魂神社に参拝し、バスで帰路に着いた。


新屋坐天照御魂神社



 鉢伏自然歩道は行程も短く、なだらかな自然の山道が多いので、家族で山歩きの楽しさを味わうことができます。
 まなびどり探検隊は、茨木市の自然歩道の6コースを歩きましたが、各コースにはそれぞれの趣があり、楽しみ方もさまざまです。健康増進やストレス解消の手助けにもなるのではないでしょうか。皆さんも一度歩いてみてはいかがですか。

担当:阿曽 金原 西村 野間 宮原  絵:金原