消防本部・消防署を訪ねて

 消防本部と消防署(本署・7分署)は、約26万人の市民の生命・財産を守るために、市内全域を24時間体制で監視し、迅速に出動できるように常時待機しています。また地元の消防団とも連携し活動しています。
 今回は、消防本部・消防署が日頃どのような活動をしているのかを特集します。

消防署

最小限の被害で救助と消火を

 茨木市の火災発生件数は、昭和63年(1988年)の146件を最多に徐々に減り、平成15年(2003年)には80件となっています。出火率(1万人当たりの出火件数)3.0は、全国平均・大阪府下平均をともに下回っています。原因別では放火(疑いを含む)がトップで、これは全国的に同じ傾向です。
 消防本部3階の指令室では、119番通報を受けると、火災などの発生場所や内容に応じて、消防車両の編成をコンピュータが選択し、消防車が直ちに現場へ出動します。消防車は、タンク車、ポンプ車、はしご車、化学車など、計50台を保有しています。また消防団には、小型動力ポンプ付積載車や軽積載車などがあり、発生場所、内容に応じて出動します。
 消防本部(署)では、「人命救助が最優先」として、被害を最小限に防げるように懸命に努力しています。

火災の原因別発生件数(平成15年)
火災の原因別発生件数(平成15年)

防火の心得
家の周りに燃えやすい物を置かない。
寝たばこやたばこの投げ捨てをしない。
火を使っている時はその場を離れない。
風の強い時は屋外で火を燃やさない。
子どもにマッチやライターを使わせない。
電気器具を正しく使用し、容量を超えたコンセントは使用しない。
ストーブの近くに燃えやすい物を近づけない。

最小限の被害で救助と消火を

 茨木市の救急車出動件数は、平成15年では10,496件、1日平均では29件になりますが、毎年500件近く増加していて、救急活動の大変さがよく分かります。
 本署と7分署のすべてに高規格救急車が配置されていて、市内全域のどこにでも5分以内で到着し、救急現場から病院へ直ちに搬送できるようにしています。病院に到着するまで、高度な救命処置が行えるように救急救命士が乗車し、適切な病院搬送をします。
 また市民救命士制度を設けて、茨木市とボランティア活動の市民(市民救命士)が協働して救命率の向上を図っています。

救急出動種別件数(平成15年)
救急出動種別件数(平成15年)

市民へのお願い
救急車の適正な利用をする。
迷惑駐車をしない。

救急車
救急車

大規模自然災害に備えて

 平成7年(1995年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災から満10年になります。茨木市では、近い将来に起こるかもしれない大地震に備えて、万全な体制をとっています。消防庁舎の耐震補強工事や飲料水兼用耐震性貯水槽、救助用資機材などが設置されています。
 震度5以上の強い地震が発生した時は、地震災害対策計画に基づき、30分以内に市内全域の定められた街区に行き、情報収集、消火活動を行い、その後の状況に応じて必要な場所に移動して消防活動を行います。
 消防では、常に降雨や風速などの気象観測をしており、集中豪雨や洪水に備えて、河川の状況を把握したり、土砂崩れの恐れがある地域などを巡回します。また地域の自主防災組織とともに警戒を強化し、被害を少なくするようにしています。

自然災害に対する心得
大型家具や電化製品などの転倒や移動を防止するための措置をする。塀などは倒壊防止の補強をし、テレビのアンテナなども飛ばされないようにしておく。
雨といや自宅周辺の排水溝を清掃しておく。
常に直近の情報を把握しておく。
指定避難場所を確認し、家族全員が周知しておく。
非常用の持出品を準備し保管しておく。
「グラッ」ときたら、まず丈夫な机やテーブルなどの下に入り、身の安全を確保する。

司令室
消防本部の指令室

地図

出初式
出初式

1年間の主な行事
 消防出初式(1月)
 震災訓練(1月)
 文化財防火デー(1月)
 春季全国火災予防運動(3月)
 近畿地区救助大会(7月)
 総合防災訓練(8月)
 市民と消防フェスティバル(10月)
 秋季全国火災予防運動(11月)
 歳末消防特別警戒(12月)

 普通救命講習会(毎月第3日曜日)
 上級救命講習会(2・6・8・11月)


担当:阿曽 野間