春風とともにチョウの季節が到来します。
日頃よく見かけるチョウも、その生態については知らないことが多くあります。
そこで身近にいるチョウについて聞いてみることにしました。その中のいくつかを紹介します。

シロチョウ科


スジグロシロチョウ
羽に黒い筋の模様がある白いチョウで、イヌガラシなどを食草にして、
サナギで越冬する。



キチョウ
鮮やかな黄色いチョウで、食草はネムノキ、ニセアカシア、ハギなど。
成虫はそのまま越冬する。


アゲハチョウ科


クロアゲハ
カラスアゲハより黒く、食草はミカン、ユズ、カラタチなどで、
サナギで越冬する。



アオスジアゲハ
黒い羽のほぼ中央に、一列に並んだ青い紋様がある。
クスノキ、タブノキ、ニッケイなどを食草とし、サナギで越冬する。


シジミチョウ科


ベニシジミ
赤色のチョウで、スイバ、ギシギシなどを食草にしている。
幼虫で越冬する。



ヤマトシジミ
雄は青色または青白色で、雌は褐色。カタバミなどを食草にし、
幼虫で越冬する。


<農林課 水垣さんに聞きました>

■チョウの一生 チョウは卵、幼虫、サナギ、成虫の4段階を経て完全変態をします。
幼虫には鋭い歯があり、多くは葉や農作物を食べるので、害虫になることもあります。
サナギは外敵から身を守るために、葉や枝の色に同化します。成虫は1〜2
週間生きるものや1年近く生きるものもいます。その間に産卵します。
■チョウとガの違い 分類学的にはどちらも鱗翅目です。その大部分がガで、
チョウはその中の一部です。その違いについてはさまざまなことが言われますが、
どれも例外があります。結局、チョウとガは同じ仲間ではっきりと区別することはできません。
■チョウの習性 チョウの中には種類によって、同じコースを飛ぶ習性(チ
ョウ道)を持つものやなわばりを持つものがいます。一カ所にしばらくいると、
同じ個体のチョウに出合えます。
■国チョウのオオムラサキについて 大型の美しいタテハチョウで、雑木林などにすんでいます。
幼虫はエノキの葉を食べ、その根元で越冬します。雄はなわばりを持ち、
侵入した鳥を追いかけることもあります。茨木市の山の中でも見かけられます。
■チョウのすむ環境 チョウなどの昆虫は、環境の変化に非常に敏感です。
チョウを守ることはチョウのすむ環境を守ることであり、自然を守ることです。
自然破壊が進み、チョウがいなくなると生態系が乱れ、その中で生活する人
間にも影響します。ただ観賞するだけでなく、チョウをとりまく環境について考
えてみてはいかがでしょう。


担当:阿曽 西村
絵 :金原