東海自然歩道は、大阪の「明治の森箕面国定公園」から東京の「明治の森高尾国定公園」まで、総延長1,370kmにおよぶ緑豊かな歩道です。                    
 茨木市を通る東海自然歩道は、北摂霊園から忍頂寺を通り車作までの約18.3kmですが、『まなびどり』編集ボランティアは、この歩道を2回に分けて紹介します。           
 今回は、春に歩いて取材した、忍頂寺バス停までの約9.2kmです。それに桜の苑と忍頂寺(寿命院)を加えて、合計約12kmを歩きました。

 JR茨木駅9:05発の阪急石橋行き(阪急バス)に乗車し、小野原バス停で9:42発の希望ケ丘四丁目行き(阪急バス)に乗り換え、勝尾寺、霊園事務所前を経由して、北摂霊園バス停に10:20に到着。最初の目的地である泉原の素盞嗚尊神社へ向けて10:30に出発した。
 箕面市、豊能町、茨木市にまたがる広大な北摂霊園を見ながら右方向へ歩いていくと、東海自然歩道の道標が見えてくる。スギやヒノキに囲まれた奥深い山道へと入ってしばらく歩くと急な階段になる。高低差200mほどを一気に下っていくと、林道西谷線の終端に出る。ここに、地元の泉原自治会が管理するわき水が3カ所から豊富に出ている。

(10:55着)

 ほぼ平坦な林道を進んでいくと車道に出る。その少し先に、「盈科書院」の説明板がある。江戸時代、村田季武が私塾を開いた所で、学問と教育のほかに、田を開墾したり、山林を開いて畑を造成したりした。

(11:25着)

路傍の石仏

北摂霊園バス停付近

 山のふもとを巻くように歩いていくと、路傍に15体の石仏を見つける。府道(豊中亀岡線)と合流しているなだらかな道を左へ進み、分岐点を左に入る。しばらく川沿いを道標に沿って歩く。黄色の竹に赤い椿が美しい。細い道を過ぎると、市の泉原浄水場がある。少し歩くと素盞嗚尊神社の石段が見える。その前の民家の庭に、みごとなサクラの大木が満開の花を咲かせていた。聞けば樹齢100年以上は経っているだろうとか。神社の境内にもサクラやツバキが美しく、シャクナゲも色を競っている。ここで昼食を取ることにした。

(12:10着)


 素盞嗚尊神社を出て、すぐ右にアカガシの大木があった。新緑の山道を歩き、低い峠を越えると視界が開ける。やがて府道(余野茨木線)と出合い、横断した所に東海自然道の大きな説明板があった。        

(13:15着)

 ツクシやタンポポが顔を並べ、水田が広がる農道をしばらく歩く。この辺りで東海自然歩道を離れ、上音羽にある桜の苑を訪ねてみる。

素盞嗚尊神社

 桜の苑は、毎年4月中旬から開園され、約1,000本のサクラが青空に向かって枝を広げ花を咲かせる。都会で見るサクラとはひと味違った趣があり、この日も多くの花見客でにぎわっていた。

(13:40着)    


 来た道を引き返す。路傍の左側にある8体の石仏に手を合わせ、東海自然歩道に戻って忍頂寺に向かう。忍頂寺スポーツ公園・竜王山荘を過ぎ、忍頂寺交差点に出ると、正面に竜王山へ続く道(石段)が見える。  

(14:25着)

 道を右へ進み竜王山自然歩道を歩く。忍頂寺小学校や大きなシイノキがある浄福寺を経て、忍頂寺(寿命院)へ到着する。                (14:50着)

 この辺りは「大阪みどりの百選」に選ばれており、新緑がことのほか美しい。薬師如来を本尊とする本堂の裏手には、石造五輪塔がある。これは大阪府の有形文化財に指定されている。

東海自然歩道の道標

 参道を抜け、眼下に広がる田園風景や遠景を眺めながら、
東海自然歩道へ戻り、忍頂寺バス停に着いた。

(15:20着)


寄り道の分も入れた歩数は18,500歩、約12kmで、約5時間の好天に恵まれた楽しいハイキングだった。


担当:阿曽 西村 野間 林田 宮崎
 絵・俳句:阿曽