定年退職して早くも十年になります。
　退職を迎えてからの一年間は何もせず、これからの人生をどう過ごすかをただ考えているだけでした。その頃から母の体調が悪くなり始めたので、手すり、厨房、トイレなど家の中を改装しましたが、母の症状はさらに進み、食事を作ることもできなくなりました。介護が必要だと判断し、ホームヘルパーさんに週に二回か三回訪問してもらい、ずいぶん助かりました。私も日を決めて朝夕世話をし、母の最期まで心置きなく面倒を見ることができました。
　その後五年間、皆さんにお世話になった分、恩返しがしたいと思い、ボランティア活動をしました。
　また、「書」の勉強もすることにしました。現在も続いていて、早くも九年になります。茨木市美術展にも二回入選することができ、大きな励みになっています。こうした生涯学習でいろいろなことを学び、第二の人生を有意義に過ごしています。

宮崎　弘

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