「人を好きになる」または「人に好かれる」などの要因(契機)は何ですか。 これは社会心理学の領域では「対人魅力」といい、外見などの身体的要因、同級生や同サークルなど物理的に近い人を好きになる空間的近接の要因、自分とよく似た人(趣味や考え方など)を好きになる類似性の要因、また反対に、自分と異なる人、自分にないものを持っている人を好きになる相補性の要因などが挙げられます。 自分自身を理解することが他者への理解につながると思いますが、自分を知る方法を教えてください。 各種の心理テストも自分を知る手がかりになります。その一つに20答法というのがあります。「私は・・・・・」で始まる文章を20作り、「・・・・・」には、自分が思い付いたことを書きます。「ミニ自叙伝」ともいわれ、自分自身の意識や態度および評価を知ることができます。そこでは、自分が一体どんな人間であるのかを考えてみるのです。自分の性格や価値観、興味、役割など、自分で感じ意識している自分の姿(自己像)を考えるのです。 言葉以上に相手に伝わる非言語コミュニケーションについて教えてください。「目は口ほどにものを言う」に代表されるように、言葉以外の手段によって私たちはいろいろな気持ちを伝えようとしています。研究では、二者間の対話で言葉によって伝えられるメッセージ(コミュニケーションの内容)は全体の35%にすぎず、残りの65%は話ぶり、動作、相手との間の取り方など、言葉以外の手段によって伝えられるということです。別の研究でも、感情表現は、言葉が7%、声が38%、顔が55%であるとしています。ある研究者は、非言語コミュニケーションを八つに分類しています。身体的動作、身体的特徴、接触行動、プロクセミックス(空間行動、対人距離など)、人工物の利用(衣服、化粧、アクセサリーなど)、物理的環境(家具、照明、においなど)、時間(時間感覚と意識、使い方など)、近言語(声の質、笑い声、ため息など)です。 人と共同していくために心掛けたいことは何でしょう。共感性を持つことが大切です。共感性とは、相手の気持ちや立場にたって物事を感じることです。いじめや虐待をはじめ凶悪な事件が後を絶ちませんが、被害者の立場を感じとることができない人が加害者になっています。家庭や学校、社会がもっと教育力を高めていかなければなりません。 |