市民インタビュー

第30回

 茨木市民の中からいきいき生活の達人を探し出し、紹介するコーナーです。話から見えてくるその豊かな人生に、あなたもきっと勇気づけられることでしょう。

手作りおもちゃで世代間交流をする

  中上 美津子さん(なかがみ みつこ)


  大阪府の老人大学講座、シルバーアドバイザー養成講座(世代間交流)を修了。
  その後、地域でさまざまな活動を通して世代間交流をするとともに、自らの生涯学習としてもおもちゃ作りを実践中。 


おもちゃ作りとの出合いはいつ頃ですか。

 平成11年(1999年)にシルバーアドバイザー養成講座(世代間交流)を受講したことがきっかけで、手作りおもちゃの楽しさを知りました。もともと私は何でも自分で作るのが好きで、洋服などもリフォームして楽しんでいました。

どんな所で活動されているのですか。

 その頃、安威公民館の運営委員をしていたので、シルバーアドバイザー養成講座で習っていたおもちゃを見てもらい、「文化展で子どもたちと作って遊ぶことができないでしょうか」と提案し、教え始めたのが最初で、その後は毎年文化展で活動しています。また、小学校のクラブや中学校の選択教科でも子どもたちとおもちゃ(リサイクル工作)を作っています。

どのようなおもちゃが出来るのですか。

 クリスマスのリースやツリー、おひな様、ブーメラン、トンボ、カエル、ヘビ、トリなどさまざまです。材料は、木の実や木片、牛乳パックやフィルムケース、ペーパータオルのしんなどです。子どもたちにはおもちゃの作り方は教えますが、あまり手を出さないようにしています。色や形、大きさなどにこだわらず、自分の好きなように作ってもらいます。
  子どもたちが作るおもちゃはとても個性的です。子どもは大人とは違う発想をするので、私もヒントをもらうことがしばしばです。大切なことは、既成にこだわらずに自分でいろいろと想像してみることだと思います。

子どもたちとの交流で、日頃感じておられることは何でしょう。

 今の子どもたちは、テレビゲームなどの高価なおもちゃが好きだと聞きますが、学校で子どもたちに手作りおもちゃを教えていると、初めは興味がなさそうにしていても、作り始めると夢中になります。出来上がったときの子どもたちの顔は輝いています。その顔を見ていると私もうれしくなります。中には、ハサミを使えない子もいますが、「こうして切るのよ」と切り方を教えるとだんだんとうまく切れるようになってきます。ハサミやカッターナイフを使うときは、手に持ってうろうろしないことを始めに約束しますが、聞かない子には本気で怒るんですよ。そうしたら最後には聞いてくれます。後日、子どもたちが書いてくれた手紙や色紙を読んでは温かい気持ちに浸っています。道で会ったら声をかけてくれたらうれしいななどと思ったりもしています。

おもちゃ作りを通しての世代間交流で、何か伝えたいことがありますか。

 子どもたちが自分で作る楽しさを知り、大人になり親になった時、手作りおもちゃを通してさまざまな人とふれ合い、人の大切さ、物の大切さを伝えていってくれたらと思います。

今後はどのような活動を考えておられますか。

 子どもたちから高齢者まで、多くの人と接していけたらいいなと思っています。私は、学校などでのおもちゃ作りのほか、茨木市の乳幼児学級のボランティアもしています。また、朝、道に立って子どもたちの登校を見送っています。「おはよう」と声をかけてくれる子どもたち、元気に学校へ向かう子どもたちにパワーをもらっています。仲間とみそづくりをしたり、地区の福祉委員として高齢の方の食事(イキイキサロン)のお世話をしたりすることも楽しみです。やってみたいことは、子どもたちだけでなく、大人と子どもがいっしょになって手作りおもちゃを楽しむ場をつくることです。
  これからも、自分を見つめながら健康に気を付けて楽しく活動ができたらと思っています。