第25回

 この春から、娘が幼稚園に通っている。毎朝、手を振ってバスに乗り込んでいく姿を見て、大きくなったなあと、娘の成長をうれしく思っている。と同時に、自分はどうなのか、ただ年をとっているだけではないのかと焦りを感じている。
 それにしても、子どもの成長には目を見張るものがある。「立った」「歩いた」と喜んでいたのが遠い昔のことのようだ。そして、無限の可能性を秘めて、昨日、今日、明日と休むことなく成長し続けている。
 娘が一人前になった時、私には何が残っているのだろう。まだまだ先の話ではあるが、考えずにはいられない。
 今は毎日の生活に終始しているが、これから娘の成長とともに増えていくであろう「わたしの時間」を大切にしていきたい。
 そして、いつまでも娘にとって良き先輩、良き相談相手でいられるように、娘に恥ずかしくない生き方をしていきたいと思う。


森下 恵子