江戸時代中期、車作の庄屋であった畑中権内は、稲作のための水不足に苦しんでいた村の人々を救おうと、下音羽川から水を引き入れる水路を自力でつくった。それが権内(深山)水路である。
11時30分、水路まで下りて取水口へ向かう。水路脇の狭い道を200mほど行くと、切り立った大きな岩が見える。その先が取水口である。この場所に立ち、水路周辺の大きな岩や急斜面を見ていると、約290年前の開削の困難さが実感できる。心に余韻を残して取水口から引き返し、車作大橋方面へと下りていく。
12時10分、車作大橋の手前の道沿いにある「ゴンゴンファクトリー」に到着する。車作に住み、この場所を管理しておられる方に話を聞くことができた。「ゴンゴンファクトリー」は、昔盛んだった炭焼きをもう一度復活させようと、地元の人などが立ち上がってできた炭焼き施設である。現在では、里山保全活動の拠点として、また、里山と市街地との交流の場として多くの人に親しまれている。市内外の子どもたちもここを訪れて、周りの自然を楽しみながら炭焼きの文化を体験している。
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昼食後、ここで焼かれた炭を見せてもらう。切り口が鮮やかなキクの花の形をしていた。
すぐ側を流れる下音羽川に下りて水の流れを楽しむ。この川には、天然記念物のオオサンショウウオも生息しているということだ。
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