実技講座の中からは、いけばなと和太鼓の講座を紹介します。
いけばな講座「はな悠々」(T)の川原先生には、花の選び方や花を長持ちさせる方法などを、
和太鼓入門・和太鼓“基礎 展開”の藤先生には、和太鼓の歴史や魅力などについてそれぞれ聞いてみました。
和太鼓入門・和太鼓“基礎展開”

和太鼓の歴史を教えてください。また、どのような目的で使われていたのですか。
 和太鼓の構造上のルーツは中国、朝鮮半島に求めることができます。日本へは、飛鳥時代に仏教伝来とともに入ってきたのではないでしょうか。宗教上の儀式に使われていたと思われます。日本の打楽器としては、天岩戸に隠れた天照大神
(あまてらすおおみかみ)を導き出すために桶を伏せて打ち鳴らしたのが最古のものだとの説があります。戦国時代になると、儀式などに使われていたものが、戦の場で使われるようになりました。自軍の統率をとるために、また、通信手段に利用されたりもしました。雨乞いや時刻を知らせるために使われていた時代もありました。今では身近な例として、お正月の行事で獅子舞が太鼓に合わせて踊ったり、また、各地の祭りにも欠かせないものになっています。                     

和太鼓の種類を教えてください。また、楽譜はありますか。
 構造上から分類すると、長胴太鼓、桶胴太鼓、附締太鼓 になるでしょうか。
発表会で挨拶する講師の藤先生
花を生ける受講生
 長胴太鼓は、一本の木を輪切りにして中をくり抜き、両端に牛の皮を張り、鋲で打ち留めたもの。
左:桶胴太鼓 右奥:長胴太鼓
右手前:附締太鼓      
花を生ける受講生
 桶胴太鼓は、杉板を円形に寄せ集めタガで締めて、両端の皮(牛か馬)をロープで締め上げたもの。
 附締太鼓は、くり抜きの胴に皮をロープで締め上げたものです。
発表会(最終講座)で演奏する受講生(前期講座)
花を生ける受講生

素材の木の分類は、ケヤキとケヤキ以外の木を総称している目有(めあり) (クスノキ・シオジ・センなど)に分かれます。
楽譜というものは昔はなく、口承でした。今は楽譜もありますが、言葉で十分伝わります。「テンテケテレツク」「ドンドコ」「カラカラ」などと言えば、どこをどういうふうにたたくのかがわかり、リズムとともに体で覚えられるように伝えていきます。

講座では幅広い年齢層の方々が受講されていますが、どのような練習をされているのですか。
 この講座は高齢の方が何人か受講されていて、また、女性の受講生もたくさんいらっしゃいます。
 回数は15回で期間も短いですから、特別複雑なことはしません。まず基本的な打ち方を練習し、簡単なリズムを覚え、最終的に短く簡単な曲ができるように仕上げます。基礎展開講座では、そこからバリエーションをつけて楽しみます。

和太鼓の魅力は何ですか。
 圧倒的な音の響きでしょうか。ぜひ生で聴いていただき、CDやテレビなどでは感じることのできない響きを、体で感じてください。音楽とは、文字通り音を楽しむことです。むずかしいことは考えずにとにかく楽しんでください。