生涯学習センターきらめき講座
生涯学習センターきらめきでは、多くの市民の皆さんがさまざまな講座を受講し、楽しく学習しています。
今回紹介するのは、「経済社会のゆくえ」(岩田年浩先生)と「リズムから入る歌謡講座」「リズムから入るポピュラー講座」(山元洋介先生)です。お二人の先生に、講座に関わる話を伺いました。

経済社会のゆくえ


アメリカのサブプライム問題は世界中に大きな影響を与えています。この問題をわかりやすく教えてください。
 プライムローンはアメリカにある住宅ローンで優良な資金状態にある人に貸すローンですが、サブプライムローンはその基準に満たない人の住宅ローンのことです。従って、金利は高く設定されています。平成19年(2007年)頃からこのローンの返済が停滞し始め、これまで好調だったアメリカ経済に陰りが見え始めました。返済不能者がどんどん増え、ローン会社が破綻していき、サブプライムを組み込んだ各国の金融商品も焦げ付き始め、それをきっかけに世界中が金融不安に襲われていきました。まだ、表面に出てこない金融商品もあり、これはボディーブローのようにじわじわと後で効いてくるでしょう。早く手当をしないと、金融機関だけの問題ではなくなり、景気全般にも影響を及ぼしかねません。


現在の日本が抱える問題の一つに少子高齢化がありますが、この問題について先生はどのようにお考えですか。
 少子高齢化は深刻な問題です。このままでいくと80年後の日本の人口は今より約40%も減ると予測されています。高齢化がいっそう進み、それに伴って労働力が減っていき、やがて日本の経済力が衰えていくことになるでしょう。それを日本の技術力と外国人労働者でカバーするとしても無理があります。体が衰えてくる人が増えると病院に行く人も増えて、日本の医療費が莫大になっていきます。
 それを解消するには、まず若い人に子どもを産んで育てる意欲を持ってもらえる社会を作ることです。少子化には若い人の収入の格差問題も影響しているということもあり、このままでは結婚や子どもを持つことを経済的な理由であきらめてしまう若者がますます増えてきます。まず、出産・育児を支えるシステムを全国的に構築することが必要でしょう。

若い世代の人たちへの経済教育についてのお考えを聞かせてください。
 経済は私たちが生きていくためのルールだということを知っていただきたいですね。「ものを作る・売る・買う」という基本的なシステムがさまざまに派生しているのが現在の経済です。日本の経済は輸入に頼っており、その上、学校教育では経済は暗記科目になってしまっています。また、大学での経済学は数字が多いのが現状です。日本の経済を知るには、まず日常のさまざまな問題を知ることが大切です。格差の問題や日本の企業が抱えている問題、さらには、情報化によるビジネスのあり方が大きく変わっていっている事実などを新聞などで知ることです。現代社会の中でどんな経済的なことが起こっているのか知っていないと景気が悪くなり激変したときにあわてふためくことになります。経済に関心を持ち理解し、自分の頭で考え行動する人間になりましょう。若い人たちが経済を知ることが、今後の対策につながっていきます。
 経済教育は端的に言えば、何を基準に社会が動いているのかの基礎的な知識を持つことで、そのことを活用して、やがて自立した人間になっていける人間形成をすることです。
 一昔前までは、日本は格差の少ない公平性の高い国でしたが、今、さまざまな所でひずみが出ています。競争社会で、勝ち続ける人はほんの一握りです。格差問題や少子高齢化問題など現在の若者は過去にない苦労を背負うことになるでしょう。そうならないように、早急に対策を立てることが必要です。

講座を熱心に聞く受講生
講座を熱心に聞く受講生
講師の岩田先生                  
講師の岩田先生


リズムから入る歌謡講座

リズムから入るポピュラー講座


音楽に合わせてリズムをとる受講生
音楽に合わせてリズムをとる受講生
講義中の山元先生
講義中の山元先生

リズム感を良くするにはどうしたらよいのですか。
 リズムというのは音楽だけのものではありません。ダンスはもちろん、スポーツや日常の動作の中にも存在する大切なものです。ですから歌を歌うには、まずリズム感を養うことですね。
 それには手拍子が有効です。テレビなどで流れてくる音楽に合わせて手をたたくのです。音楽が聴こえる範囲で曲に合わせて慎重にたたきましょう。それができたら体を動かしながら曲に合わせて手をたたきましょう。そのとき、決して力を入れないでください。力を入れて手拍子をするとリズムをとるのが難しくなります。きちんとたたいているようでも、一拍が長くなったり短くなったりして、リズムの幅が一定していないことが少なくありません。力を抜いてたたきましょう。また、音楽なしで手拍子だけで歌う練習もしましょう。それがリズム感をよくする第一歩です。

自分は音程が悪いと思っている人が結構いますが、どうしたら音を外さず歌えますか。
 まず、流れている曲の音をよく聴きましょう。集中して注意深く聴くのです。糸を通すとき、針の穴をじっと見るように。昔、人にズバリと音程の悪さを指摘されてそれから自分は下手なんだと思ってしまっている人もいるようですが、このように、音を集中して聴いて歌う練習をするとだんだんと上達していきます。

歌う声をもっと大きくするにはどうしたらいいのですか。
 声を大きくしたいと思う余り、むやみに力を入れてしまうのはよくありません。声帯を痛めてしまうことにもなります。力を入れないで歌いましょう。リズム感よく歌っていると自然に声も出てくるものです。
 もっと上を目指して、人から「ほんとうに歌がうまいね」と言われるくらいの歌声を望むなら、指導者について確かな基本を学ぶこともいいでしょう。

自分に合った歌を歌いたいが、どんな歌が合っているのかわからないという人にアドバイスをお願いします。
 歌のジャンルにこだわらずに、いろいろな曲にトライしてみることです。童謡唱歌でもいいのです。そうしているうちに、きちんと歌えて自分も好きな曲に出合えます。音楽とは音を楽しむことです。まず、自分の好きな歌を楽しんで歌いましょう。それからできればですが、音符が読めるようになるといいですね。そうすれば、カラオケなどで歌っているとき、曲について気が付くこと、例えば音の長さや休む所などが以前よりわかってくると思います。

講座を通して受講生に伝えたいことは何でしょう。
 講座では、受講生の皆さんに音楽の基礎はリズムだということをわかりやすく伝えるために、さまざまな工夫をしてします。今流行している曲も取り入れます。曲に合わせて手拍子やマラカス、パーカッションを使ってリズムをとり歌うこともします。こうしてだんだんとリズム感を養っていただき、少しでも皆さんが上手に楽しく歌えるようにしていきたいと思っています。