第30回
困ったことに歳を一つとるごとに物忘れが多くなっていくようだ。もともと名前を覚えることが苦手だったのだが、最近はとんと出てこずに失礼することがある。予定などを手帳やカレンダーにしっかりと記入して難なくこなしているつもりだが、大事な行事の時は何回も確認しないと安心できないという始末である。友人たちとの集まりでも、いかに情けない状態で忘れたかという話で盛り上がり、肝心の話がおろそかになって、慌てて話題を戻すという次第である。
最近パソコンに興味を持ち、グループで勉強しているが、これがなかなかの難物で、習った時はいい具合にこなしていても、次回にはすっかり忘却の彼方となっている。その進歩たるや、まるで蟹の横歩き状態だ。
先日も、「こんなこと、操作できないかな?」という質問があったということで、翌週さっそくやることになったが、これが実にややこしい。「こんな操作、あまり使わないからもうやめとこ!」とつぶやいたら、「山本さん、これあんたが聞いたんでっせ」。
ちょっとミョウガを食べ過ぎたかな。
山本 通江