生涯学習センターきらめき講座
生涯学習センターきらめきでは、多くの市民の皆さんがさまざまな講座を受講し、楽しく学習しています。新しい年を迎えた今回は川原宗吹先生が担当されている「茶道のこころに学ぶ」と、木村保司先生が担当されている「英会話初級−元気のでる英会話」を
紹介します。講座に関わる楽しいお話を伺うことができました。

茶道のこころに学ぶ

   茶道は日本の総合伝統文化です。茶道で学んだ心得や作法を通して、日本の文化を知ることができ、 
日常の暮らしの中にも生かすことができます。                        
 形式美だけではない「茶道のこころ」について講師の川原先生にお話を伺いました。        
茶道はいつ頃から始まったのですか。
 わび茶の茶道は千利休に至って大成されました。安土桃山時代のことです。精神性を重んじ美意識を高めた利休のわび茶は武士階層にも広がり、その精神は茶道の基礎となって現代に受け継がれています。

茶道の「美」はどこにあるのですか。
 日本の総合伝統文化である茶道には、たくさんの「美」が内在します。それを私たちの暮らしの中にも生かすことができるのです。
 まず、茶道の一連の動作を見て思うことは、非常に洗練されていて美しいということです。立ったり座ったりお辞儀をしたりする動作には余分な動きがありません。おけいこでそうした動作を身につけると、生活の場でも自然に美しく振る舞うことができます。また、お茶をたてていただくという所作は、感謝や思いやりといった日常生活におけるさまざまな場面でマナーとして応用することができます。

『おくのほそ道』の魅力はどこにありますか。
 『おくのほそ道』は、「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也」から始まり、最後は「蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ」という句で締めくくられています。その魅力は何と言っても名文であるということでしょうか。散文と句とがうまく調和し、全体がリズム感あふれるものになっています。すばらしいの一言ですね。私は最高の古典文学だと思っています。





 受講生を指導される
 川原先生
 受講生のみなさん

 茶道では、床の間の掛物や花入、釜、茶碗などの茶道具が使われています。それぞれに歴史や意味がありますから理解すると、その美しさ、芸術性をより感じ取ることができます。また、茶道は季節感を大切にします。茶花は季節の花を入れ、掛物や茶碗などにも季節を感じる絵柄を取り入れます。こうしたことを知っておくと、日常の生活にも自然と季節を取り入れることができるよう
になります。 日常の慌ただしさから離れて、茶室の中に身を置き静かな時を過ごすことは、現代人にとっては贅沢で美しい時の過ごし方だと思います。茶道は形式だけではなく、心の在り方も重視します。精神的にも落ち着きとゆとが持てるのではないでしょうか。



気軽にお抹茶を楽しみたいのですが・・・。
 きらめき講座では、「盆略点前」(お盆を使った簡略な点前)を習得していただきます。お盆の上でできるので、これを覚えるとお抹茶を手軽に楽しむことができます。15回の講座修了間近にはほぼマスターできるので、お茶会にも出られるようになります。ここで学んだことをぜひ実践していただきたいですね。受講生の中には正座が苦手な人もいましたが、回を重ねるに従って最後まで座れるようになっています。講座では作法や手順をしっかりと覚えていただきますが、「堅苦しいもの」「面倒な作法」という先入観を捨てて楽しんでください。
 また、ご家庭でお抹茶を楽しむこともできます。ポットとお湯、茶碗、茶筅、茶杓があればテーブルの上でもできます。抹茶はどこででも購入できます。あとは好みのお菓子を用意して、ご家族やお友達に召し上がっていただくと、皆さんに喜ばれるでしょう。「お茶をいただくとき、なぜ茶碗をまわすのでしょうか」という質問をよく受けます。お茶は茶碗の正面をお客様に向けて出されます。正面は絵柄のある茶碗の場合、一番きれいに見える部分です。その部分に口を付けないためにまわして、ずらしていただくのです。そこには、常に感謝の気持ち、謙虚な気持ちがあります。