組ひもの携帯ストラップを作る利用者
茨木市立かしの木園は、知的障害者が通う授産施設です。
 昭和56年(1981年)、国際障害者年ができたことを記念して、翌年4月に障害者センターが開所し、その中にかしの木園が併設されました。
 開園して今年で27年目になるかしの木園を訪ねました。


組ひもの携帯ストラップ
かしの木園の利用者の一日を教えてください。
  かしの木園を利用できるのは18歳からで、現在23人の方が通っておられます。茨木市外からも来られています。
 利用者は、午前9時15分までに登園し、朝礼・体操・ランニングの後、作業に入ります。市内の業者から持ち込まれる組み立てなどの軽作業、自主生産作業といって、ストラップやキーホルダーに付ける人形や組ひもの製作、木片を動物などにかたどって色を付け、裏にマグネットを付ける作業などを行います。昼食の後、午後1時から作業を再開。午後3時に終了します。途中、休憩を10〜15分挟み、午後3時30分からミーティングなどをして、午後4時に自宅へと戻ります。 
 春と秋には、神戸や京都など1時間程度で行ける場所に電車を使って出かける社会体験をします。また、1年に4回、かしの木園と万博記念公園を歩いて往復したり、太陽の里ともしび園の利用者と交流したりしています。
かわいい動物の紙止め

利用者へのサポートや今後の取り組みなどを
お聞かせください。

 利用者が集団生活を通して社会性を高めることができ、日常生活に必要な知識を体得して、社会的に自立ができるようにサポートをしていきたいと思います。
 朝夕や食事時のあいさつ、来園者などへのあいさつ、「ありがとう」など人間関係が円滑になるような言葉がけ、連絡や報告をすることなどを目指します。また、毎日の作業を経験する中で、道具の使い方や作業手順を会得していきます。市内の事業所などでも職場実習の体験を積み
ます。 
 利用者は支援学校高等部などを経て、ここで6年間、自立に向けてさまざまなことを学びます。卒園生は約130人を数えます。しかし、就職状況は必ずしも明るいとは言えません。 
 平成17年(2005年)10月に成立した障害者自立支援法に基づき、新たな制度体系に変わっていく中で、一人でも多くの利用者の皆さんが就職・就労を目指せるように、さまざまな取り組みを考えていきたいと思っています。

業者依頼の作業をする利用者
利用者の皆さんの作業を見学させていただきました。皆さん、一生懸命で丁寧に、しかし、手慣れた様子で、写真立ての周りに飾りを付けたり、組ひもの携帯ストラップなどを作っておられました。どれもカラフルでとてもかわいく作られていました。これらは茨木市の農業祭や地域のバザー、市民会館内に常設されているレインボーショップなどで販売されています。ぜひ一度ご覧になってください。

茨木市立かしの木園
〒567-0031 茨木市春日1−15−22
FAX 626−5912