私たちの周りには、十分な学校教育を受けられなかった方や、母国を離れて日本で生活している方など、
さまざまな事情で日本語の習得を必要とされている方がおられます。
 茨木市では、そのような方々が気軽に利用できる日本語の学習会をいくつか開いています。
 今回は、茨木市立中央公民館「日本語読み書き学級」を訪ねました。

  茨木市立中央公民館「日本語読み書き学級」には、日本の方や、中国、韓国、タイ、台湾、ネパール、英国などから来られた方々、約30人が日本語を学んでおられます。レベルは一人ひとり異なっているので、講師は個別の指導を基本として、それぞれのニーズに合わせた指導をされています。
 また、日本語の読み書きや会話を指導するだけでなく、日本の風習や文化などにも触れて、異文化をより理解することができるような工夫もされています。四季折々に日本の行事などを紹介するほか、2時間の学習の中では、毎回、日本の歌を全員で歌うことにしており、時には音楽サークルとのジョイントも行っています。
 学級生はここに集う方々とのコミュニケーションをとても楽しみにされています。また、指導する講師の方々の温かい励ましやアドバイスは、学級生の心の支えにもなっています。

 
 

















講師の話

私は日本語がほとんど話せない学級生を担当しています。言葉が十分理解できないため、買い物などの日常生活がとても不便だと聞きます。まずは、生活に密着した会話の指導をしようと思っています。日本語習得は、焦らず細く長く続けてほしいですね。

学級生ができるだけ多くの日本語を話せるように指導しています。また、正しい日本語、生活に使える日本語を覚えてもらっています。大切なことは学級生が何を必要としているかを的確に把握することだと思います。

私は会話にさほど不自由しない学級生を担当しています。学級生が書いた日記を添削したり、興味のありそうな話題を提供したりして、そこから話を膨らませて会話をするようにしています。ここで日本語をしっかり学んでいただき、社会生活に役立ててほしいですね。  

今、学級生と取り組んでいるのは、物語を読んでその内容を話し合うということです。あっという間に2時間が過ぎていきます。

■中央公民館日本語読み書き学級
 中央公民館 622−1256

■豊川識字・日本語教室
 豊川いのち・愛・ゆめセンター 643−2069

■沢良宜識字・日本語教室
 沢良宜いのち・愛・ゆめセンター 635−7667

■総持寺識字・日本語教室
 総持寺いのち・愛・ゆめセンター 626−5660

 
 













学級生の話

敬語の使い方が難しく、あいさつするとき混乱してしまいます。先生は分かりやすく教えてくださり、何でも質問できます。ここへ来るのが楽しみです。

日本に来てもう10年になります。家の中で靴を脱いで生活することや日本食にも慣れました。今は、漢字の読み書きなどの問題集に取り組んでいます。先生と気軽に話すことができるので、気持ちが楽になります。 

日本は同じアジアの国なので、目立ったカルチャーショックはありませんでした。ただ、漢字の読みや文の構造、そして、特に、助詞の使い方が難しいです。 

家に帰るとつい母国の言葉に戻ってしまい、日本語での会話が続きません。子どもたちは両国の言葉を理解できるので、通訳の役目をしてくれます。

学習中の学級生
講師の伴奏で
合唱する学級生