市民インタビュー
第44回
共感コーディネーター
むら
さん
 仕事に対する問題意識を常に持ち続け行動してきた木村さんは、数々の職場での多くの体験から、どんな状況でも“心のありよう”で自己実現に向かって働くことが可能だということを実感。その後、心理カウンセリングやコーチングを学び、現在、“心のありよう”をサポートするチームを立ち上げ、さまざまな活動をしています。  
共感コーディネーターとは、どのような仕事ですか。
 私は、“心のありよう”をサポートするチームを最近、仲間と作りました。茨木市立男女共生センターローズWAMでは、女性のチャレンジ応援事業の講師として、自分自身の経験を交え、仕事に対する考え方やより良い職場の人間関係などについて話させていただきました。
 講座では、こちらが一方的に話をするのではなく、参加者同士も交流して、それぞれの思いを語り合い、皆が似たような思いを持っているのだということを感じていただきました。重かった気持ちがふっと軽くなり、その気持ちが安心となり、前へと踏み出す一歩につながる、そのような場をどんどん提供していきたいと思っています。それが、今、私が広めようとしている共感コーディネーターという仕事です。

就職難といわれる昨今、面接において、自分をどのようにアピールすればよいのでしょうか。
 私は、35歳まではさまざまな会社でたくさんの経験をしようと思い、大手企業や中小企業で働いてきました。その経験から、面接では、自分の気持ちをきちっと伝えることが最も重要だと思います。働くことに対して自分はどんな考えを持っているのか、その企業で、自分は何をしたいのかを明確に話すことです。そうすれば、たとえ、その業種が未経験でも、決して不利にはならないと思います。面接では、緊張して自分を出し切れないという人がいますが、訓練次第でいくらでも手際よく自分をアピールすることができます。自分の軸をぶらさずに話すことができれば、この人は使えると思ってもらえるのです。 
現在は、就職難とは言うものの、中小企業では人材を求めています。会社の規模を気にするよりも、自分はいったいどんな仕事がしたいのかを考えることが大切です。好きな仕事が自分の天職になることほど素晴らしいことはありませんから。
 また、転職するか、今の会社にいるかで悩むことがあるかと思いますが、どちらにしても腹を据えることが肝心です。起ってもいない未来に不安を感じるより、前にある一つひとつのことにしっかりと取り組みましょう。

仕事などで疲れたときの対処法や落ち込んでいる人への接し方を教えてください。  
 たとえ、5分でも「少し休もう」と思うことが大切です。疲れたまま仕事を続けると、どんどん自分をすり減らしていきます。また、あまり「自分が、自分が」と思わないことです。もう少し、周りの人を信じてみてはいかがですか。
 もし、自分の近くに疲れている人がいたら、そっとフォローをしてあげましょう。声をかけるとかやさしい視線を向けるとかだけでもいいのです。「あなたをほったらかしにしていないよ」という雰囲気を伝えることが大切です。

とかく、職場などの人間関係はわずらわしいと思われがちですが、人との関わりを有意義なものにするには、どのような心がけを持てばいいのでしょう。  人は皆、さまざまなことを抱えながら、精一杯生きているということを思えば、人との接し方も変わってきます。自分自身も、いろいろな人から受け入れてもらっているということを覚えておきましょう。
 会社で苦手な上司がいたとしても、その行動をよく見てみると、その上司のおかげで助かっているという部分が少なからずあるものです。少し違う方向から人を見たり考えたりしてみると、心が広くなり、いろいろな人と話すことが楽しくなっていきます。

木村さんが目指すものは何ですか。  
 最近は、仕事や職場の人間関係だけでなく、さまざまな問題で、疲れ果てている人が増えています。その人たちが病気になる前に、少しでも心の負担が軽くなるようにサポートができればと思っています。
 そのためには、1対1のカウンセリングだけでなく、たくさんの人の中の一人として、楽に話を聞くことができ、ほかの参加者とも交流ができる講座をどんどん開いていきたいと思います。
 世の中には情報があふれています。それらに振り回されてついつい自分をマイナスに見がちです。しかし、マイナスだと思っている部分も、見方によってはプラスになるということを知っていただきたいですね